ステアしやすくなるブレーキングリリース
ブレーキングのリリースについては「ステアしやすくなる」などの必然的なメリットがあるわけですが、他にも、後輪側の接地荷重を戻すという役目も果たします。それまで車体全体に減速Gが働いていたものを開放することで、従来のリアステアを復活させるわけです。言うまでもなく、リアステアは後輪が路面にしっかりと接地していなければ確実にグリップしませんから、この後輪接地についても重要な要素として把握しておきます。
フロント回りのステアリングの反応を素早くするテクニックは、車体をリーンさせるキッカケ時にフロントブレーキをリリースすること。ハーレーはリアに比べるとさほどフロントブレーキの比率が高くはありませんが、やはり効果は絶大。そしてこの技は、初心者ライダーであれば滅多なことがなければ使う機会はありませんが、フルブレーキングするような過激なライディングをするときも同じなのです。というよりも、リーンさせるタイミングで必ずこのブレーキングリリースを一連の動作に取り入れておかないと、一番最初の向き変え時の進路変更が曖昧になってしまうのです。つまり、ブレーキングのリリースを確実に行わないとメリハリのない、ライン取りの自由度が低い走りになってしまうのです。
制動をリーンのキッカケ手前で完全に終わらす
ちなみに余談ですが、このライディングテクニックはハーレー乗りのみならず、サーキットを走行するプロライダーなども取り入れている技術です。リリースする際の強弱の差は当然ありますけど、「超」が付くようなフルブレーキングの世界でもこの基本は活かされているわけです。というのも、彼らは誰よりもコーナーリング・アプローチの失敗がそのコーナー全てに影響することを痛感しています。そのため、まずスピードダウンの目的である制動をリーンのキッカケ手前で完全に終わらせておいてから、一気にリリースするというテクニックをモットーにしているのです。
◆ 【リーンの操作】他のポイントも合わせてご覧ください ◆
前輪の動きを邪魔しないニュートラルステア
◇ オーバー/アンダーステアの傾向への対処
◇ ニュートラルステアを保つ
◇ 自然なステアバランスを保つ
◇ 重心とステアリングヘッドを結んだ軸
◇ ロール軸を中心にリーンする
◇ 曲がるときは車体に余計な力を加えない
◇ ロール軸を活かしたライディング
◇ ロール軸に逆らわず後輪荷重で走る
◇ 前輪のセルフステアを邪魔しないこと
◇ セルフステアを生む3つのポイント
◇ セルフステアの特性は状況により変化
向き変えのリーンを極める
◇ リーンの基本をおさらいする
◇ リーンの入力はキッカケ時のみ
◇ リーンでは積極的にリアステアを作る
◇ バイクは後輪で曲がる
◇ 浅いバンク角で強く曲がる
◇ リアステアとステアリングレスポンス
◇ 向き変えを行い、再度リーンする
◇ 向き変えはリーンのキッカケ入力が肝心
◇ 進入時にブレーキを一気にリリース
◇ ステアしやすくなるブレーキングリリース
◇ 後輪荷重でリアステアを生む
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