下り坂では、低回転域から大きめにアクセルを開く
上り坂で自然に生まれる後輪荷重がスムーズなライディングを大いにサポートしているということは分かりました。そこで、不安要素の多い下り坂でも同じような効果を与えることが出来れば、恐怖心を持たずに楽々とクリアできるのではないのか? ということで、ココからは下り坂のスムーズなライディングについて見ていきます。
ワインディングで上り坂をやり過ごし、いよいよ下り坂に突入。ブレーキングを駆使して下りていくわけですが、コーナーが近付いて来たらいつも以上に十分なスピードダウンをします。普段からそれなりにスピードを上げて走る人は「ちょっと落とし過ぎたかな」、というレベルまで下げてもなんら問題ありません。ここでは、減速し過ぎることで困ることはないのです。要は、コーナーリングを始めると同時に加速させて、そのままコーナーをクリアするまでアクセルを開け続けても曲がりきれる開始速度である必要があるのです。そう考えると、スタート時の速度はかなり低速でないといけません。では、なぜ加速し続ける必要があるのかといえば、路面にトラクションを掛けるためなのです。
アイドリング前後の低回転域で加速する
下り坂で、カーブの手前で十分な減速を済ませておきます。そして、コーナーに進入していったらバイクをリーンさせてターンをスタート。この時、アクセルをグイッと気持ち大きめに開くことがポイント。恐怖心から、もしここで除々にゆっくりと開けていったのでは、リアタイヤが路面を勢い良く蹴飛ばすトラクション効果が生まれません。つまり、安定して曲がれるバイク特性が発揮されないために不安定なコーナーリングになってしまうのです。さすがに下り坂でアクセルを大きめに開けるのは勇気がいるでしょうけど、特性を理解して思い切った操作をすることが肝心です。
アクセルをグイッと開く際に注意したいのは、エンジン回転をアイドリングよりも気持ち高いぐらいにしておくこと。間違っても高めの回転域からアクセルを開けないように。文字通り自殺行為になってしまいます。この、アイドリング前後の低回転域であれば、例えアクセルを大きく開けたとしても車体が加速して、勢い良く飛び出すことはありません。それに、低回転時は「ドドッ、ドドッ、ドドッ」、とエンジン内の爆発する感覚を明確に体感することができて、これがリアタイヤへと波及することで、路面を「グッ、グッ、グッ」と、噛むように確実なグリップが成されるのです。
◆ 【上級ライテク】他のポイントも合わせてご覧ください ◆
ヘアピンカーブの走り方
◇ ヘアピンコーナーはリーンアウトで挑む
◇ うまくなりたいヘアピンコーナーの乗り方
◇ ヘアピンカーブでは慣性力の違いに注意
◇ ヘアピンカーブは事前に進入角を確保
◇ ヘアピンカーブでは後輪荷重をキープ
◇ ヘアピンでは外側の足と腰に注力する
◇ ヘアピンの出口でも焦らず両腕をリラックス
◇ ヘアピンでは後輪荷重と両腕の脱力が肝心
ブラインドコーナーでも怖れないライディング
◇ ブラインドコーナーの前は十分な減速を
◇ ブラインドコーナーではセンターラインを見ない
◇ ライディングポジションはリーン・ウィズで
◇ フロントブレーキで車体を起こす
◇ 車体が起きたら一気にブレーキをリリース
連続カーブと下りカーブをものにする
◇ うまくなりたい連続カーブのコツ
◇ 連続したカーブでも、ひとつのカーブとして見る
◇ 連続したカーブではフロントブレーキをうまく使う
◇ 下り坂でも上り坂と同じ効果を与える
◇ 下り坂では、低回転域から大きめにアクセルを開く
◇ 下りコーナーでも後輪荷重を意識する
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