後輪と車体をつなぐ一本の棒をイメージ
シート越しに尻で後輪の挙動を感じれるようになってきたら、次は車体を右へ左へと傾けてみます。後輪と路面の接地点を軸にバンクさせたみたときに、強弱をつけたりスピードを変えたりして、車体がどう動いた時が一番スムーズかを確認してみます。
このとき頭の中でイメージしておきたいのは、単にシートにまたがるというのではなく、「後輪と車体が一本の見えない鉄棒で結ばれていてその棒の上にまたがる」という意識です。この感覚を持てば、シート上でサスペンション機能を使い、車体を前後に揺り動かしたとしても一体感を感じるはず。つまり、決して左右には動かない後輪と車体のガッシリした剛性を身を持って知ることが出来ます。
とは言え、やはり簡単に感覚をつかむのは難しいので、ここではまずフロントタイヤの存在を忘れてみます。車体と後輪だけに意識を持っていったところで、先程の一本の鉄棒上にまたがっているイメージを持ってみるとより具体性を帯びてきます。そして、ハーレーの操作というのは、この後輪と車体がつながった見えざる一本の棒を巧みに操ることが肝心であり、またすべての基本にもなるのです。
効果的なリアステアを生むベースを作る
また、一本の棒上での感覚をそれとなく覚えてくると、後輪のみでなく前輪にも応用が利きます。後輪と車体がつながった棒上という発想に馴染むには多少なりとも時間が必要です。しかし時間を掛けてでも意識を向けていけば、少しずつイメージが自分の中に落とし込まれていきます。そしてこれが何度も言うように、無理のないリアステア、ひいては効果的にリアステアを駆使できるテクニックのベースになるのです。
二輪という不安定な乗り物ではありますが、こうした操作をマスターすれば自分でも驚くほどの自在な動きを見せます。これほど奥が深く痛快で、またスポーツ性に富んだ乗り物は他にはないと断言できます。だからこそ、基本をしっかり押さえて、これからのバイクライフを存分に楽しんで欲しいのです。
◆ 【後輪の働き】他のポイントも合わせてご覧ください ◆
トラクションで安定力をキープ
◇ トラクションの本質を学ぶ
◇ アクセルワークからのトラクション効果
◇ 加速Gとトラクションの関係
◇ 加速Gではフロントフォークが伸びている
◇ トラクションによるグリップ力と安定力
リアステアで後輪を軸に曲がる
◇ リアステアの前に曲がる構造を知る
◇ ハンドルではなく、車体を傾けることで曲がる
◇ フロントとリアタイヤの関係性
◇ リアステアは、後輪で曲がる基本性能
◇ 他メーカーのバイクも基本はリアステア
◇ 前輪荷重のバイクにもリアステアが求められる
◇ 後輪の接地点を軸に、倒れていくイメージで
◇ バイクは後輪で乗るイメージを持つ
◇ うまくなるには後輪の挙動を尻で感じる
◇ 後輪と車体をつなぐ一本の棒をイメージ
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