リアステアは、後輪で曲がる基本性能

rear-steer-95

ハーレーを操作する上で頭に入れておきたいことがあります。それは、リアステア。簡単に言うと、進路変更はハンドルで扱うものと思いがちですが、その根本はリアタイヤが司っているということです。ここでは、そのリアステアに関しての知識を深めていきます。

 

では、まずフロント回りから見ていきます。フロントフォークは走行性を損なわないように地面に対して斜めに装着されています。この地面に垂直な線に対しての斜めの角度をキャスター角といい、フロントタイヤと地面との接地点から、フロントフォークの延長線が地面と当たる点の間の距離をトレール量と呼びます。そして、トレール量はバイクのハンドリング性や車体の安定感を知るポイントになります。トレール量が長いと(大きい)安定感はありますがハンドリングは重くなり、トレール量が短いとその逆です。つまり、キャスター角やトレールは、アライメントを調整する際の指針になってくるわけです。

 

ハーレーはそもそもが乗りやすい状況で生産されているので、何の問題もなく出荷時の状態で走り出すことが出来ますが、乗り手によっては微調整が必要な場合もあります。その時はキャスター角やトレール量を専門のメカニックに診てもらい、場合によっては乗りやすい状態に修正してもらいます。

 

 

フロントの蛇角はリアタイヤありき

お次は、直進中のバイクを曲がらせようと、車体を傾けたときのフロント回りの働きを見てみましょう。まず、リアタイヤは車体の傾きに連動するように自然な軌跡を描いて曲がっていこうとします。すると、フロント回りはその動きを邪魔することなく、先導されるカタチで後を追うように蛇角をつけていき、リーンのキッカケを作ります。

 

理解してもらえたと思いますが、フロントの蛇角はこのようにリアタイヤありき、なのです。つまり、理屈的には回転方向にしか動かないリアタイヤがハンドリングしているような状態なのです。また、操作はリアタイヤが司っているため、フロントタイヤの蛇角はあくまでもリアのサポートに過ぎません。リアタイヤの傾き具合に追従するカタチを取るため、進路はすべて後輪が握っているのです。そして、こうしたフロントではなくリアタイヤで曲がる基本性能のことを「リアステア」と呼ぶわけです。

 

 

 【後輪の働き】他のポイントも合わせてご覧ください 

 【後輪の働き】トップ

 

トラクションで安定力をキープ
 トラクションの本質を学ぶ
 アクセルワークからのトラクション効果
 加速Gとトラクションの関係
 加速Gではフロントフォークが伸びている
 トラクションによるグリップ力と安定力

 

リアステアで後輪を軸に曲がる
 リアステアの前に曲がる構造を知る
 ハンドルではなく、車体を傾けることで曲がる
 フロントとリアタイヤの関係性
 リアステアは、後輪で曲がる基本性能
 他メーカーのバイクも基本はリアステア
 前輪荷重のバイクにもリアステアが求められる
 後輪の接地点を軸に、倒れていくイメージで
 バイクは後輪で乗るイメージを持つ
 うまくなるには後輪の挙動を尻で感じる
 後輪と車体をつなぐ一本の棒をイメージ

 


動画も見て本格的にライテクをマスターしたいという人におすすめのDVDです。【365日間ライディング上達保証】という購入者限定の特典が付いた完全なサポート体制です。

Leave a Reply

* が付いている項目は、必須項目です!

*

Trackback URL