Q.ドライサンプってなに?

dry sump

A.エンジンオイルをエンジン内に溜めず、外部から供給する仕組み。

 

ハーレーのエンジンは長らくドライサンプというエンジンオイルの潤滑方式を採用しています。

 

このドライサンプは、

エンジンオイルをエンジン内に溜めておかず外部のオイルタンクに溜めておいて、オイルポンプでエンジン内を循環させるシステムのこと

です。一方で、エンジン内にオイル溜まりを持つ潤滑方式のことをウェットサンプといいます。これはクランクケース下部のオイルパンにエンジンオイルを溜めている構造となります。国産車のほとんどがウェットサンプですが、ヤマハのSRに関してはハーレー同様にドライサンプが採用されています。

 

ハーレーで使われるドライサンプの特徴としては、オイルパンが無い分クランクケースをコンパクトにまとめられ、エンジンの高さも抑えることができます。しかし反面で、ある程度の容量を確保したオイルタンクを別に用意する必要があります。

 

このように、ハーレーはエンジン内にオイルを溜めておかないドライサンプのためオイルタンクの用意は必須。また、ここで注意したいのは、オイルタンクは必要分のオイルが入れば良いわけではなく、エンジン内の圧力を逃がすために、ある程度の空気層も必要なのです。ですから、それらを踏まえたサイズとなると自然と、タンクの大きさはかなりの物となります。

 

 

なぜハーレーはドライサンプを採用しているのか?

では、根本的な疑問として、なぜハーレーダビッドソンは一貫してドライサンプを採用しているのでしょうか? もしこの仕組みがベストであれば、国産メーカーもこぞって採用しているはずです。

 

それをひも解いて見ると、ハーレーの特殊なキャラクターが大きな要因となっているのが分かります。

 

まず、このドライサンプはサバイバル性に長けたオイル循環方式となります。そして、日本のようなストップ&ゴーを繰り返す道路事情ではなく、延々と大陸を長時間走り続けるような環境には打ってつけで、相性がバッチリなのです。更には、オイルがある限りは滞りなくエンジンへ循環させ続けられ、ご存知のようにオイル量の管理も容易。こうした機能面と、エンジン自体をコンパクトにまとめられるデザインの自由度を確保した構造がハーレーのスタンスにジャストフィットするわけです。

 

 

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