旋回性能は体験で蓄積する
コーナーリングでの旋回性能は実践で培うのがベストだと伝えました。しかし、それを分かっていながら、いつものように何も考えずカーブを曲がる人が多いのも事実。この意識するかしないかの差は、ことライテクに関して言えばかなり大きいものなのです。
では、いざ練習するときに、カーブの直前に来て、どれぐらいスピードを落として車体をどれぐらい倒し込めば余裕のあるコーナーリングが出来るのか、というのが一番最初の問題点です。ちなみにこの点は、ツーリング時に心や体がリラックスしているときでもふと不安に駆られてしまう箇所でもあります。答えは簡単で、まずは思いっきり減速すること。迷ったときは十分に減速さえしておけばなんとでもなるものです。
しかし、あまりにもスピードが落ちたのでは乗っていて楽しくはありませんね。そこで、自分のバイクの旋回性能をあらかじめ知っておけば自分にとって一番良いスピードでスムーズにコーナーリングできるわけです。
自分だけの体験データを培う
そんな人はいないと思いますが、愛車の性能を限界まで知ろうとしてフルバンクまで試す必要はどこにもありません。やるべきことは、自分にとって安心できる軌道でコーナーリングしているときに、「スピードは何キロか」、「車体はどれぐらい寝ているか」を確認すること。それを大きなカーブ、小さなカーブでそれぞれ何度も試して、体の中に身を持ってその体験データを蓄積させていくのです。簡単なことのように聞こえるかもしれませんが、出来ている人はそう多くはないのが現状。地道で簡単に聞こえることほど、実際にやるとなると難しいのです。
このデータの蓄積は、感覚的なものなので、本人のみが使用できる本人のみの財産です。納得するまで練習を重ねて、「これぐらいのスピードでこれだけバンクさせれば、結果的にこうした軌道で曲がる」と、確実に自信がつくまではチャレンジあるのみ。そして、自分だけのノウハウを得た後のライディングはより一層痛快になることでしょう。
◆【中級ライテク】他のポイントも合わせてご覧ください◆
コーナーリングを極める
◇ コーナーリングのコツをマスターする
◇ スムーズなコーナーリングはブレーキングが鍵
◇ コーナーリング時は後輪荷重がポイント
◇ コーナーリングではリラックスすること
コーナー前での減速タイミング
◇ ゆるやかなコーナーリングでのシフトダウン
◇ ブラインドコーナーでは十分な減速から
◇ コーナー直前の、シフトダウンのタイミング
コーナーリングの進入方法
◇ コーナーリングでの“横G”を知る
◇ 中速コーナーはテクニックを駆使する
◇ ターン時の旋回性能を意識する
◇ 旋回性能は体験で蓄積する
◇ バンク角の変更では、大きな効果は見込めない
◇ うまくなりたいコーナーの進入角
◇ コーナーリング中は進路変更は出来ない
◇ 曲がり切れないカーブではリーンし直す
◇ コーナー進入時はメリハリの効いたバンクを
◇ 向き変えは、車体をリーンし直すイメージで
◇ コーナーのアプローチが肝心
◇ コーナーリング前はキッカケ入力を忘れずに
◇ コーナーリングは“曲がり方”の基本を怠らない
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