雨天時はリアブレーキもやさしくが鉄則
ここまではフロントブレーキのコツを見てきました。しかし、雨天時はリアブレーキも同じように配慮しなければいけません。理屈は同じなのですが、リアのディスクローターも、利きが甘いと感じてペダルを強く踏み込んでしまうと、すぐにロックしてしまいます。また、カカトを浮かせてブレーキペダルをラフに踏むなんていうのはもってのほか、「ジンワリやさしい」操作は常に忘れないようにしましょう。
ブレーキングばかりでなく、全身の姿勢も肝心です。雨天時というのは当たり前ですが、晴れの日に比べて緊張してしまい体全体が強張ってしまいがち。バイクを走らせる上で体が強張ることがいかに良くないかはこれまで再三説明してきました。まず、体が固い状態だと、もしバイクが少し滑った程度でも本人としては大きくスリップしてしまった錯覚を受けるのです。また、両腕にも力が入りがちなためにハンドルを自然と強く握り込んでしまい、スムーズな進路変更の邪魔をしてしまうなど、とにかく良いことはありません。
シート前方に座らずハンドルにしがみつかない
そこで、恐怖感のあまりにやってしまう代表的な悪い姿勢がありますので、これを反面教師に頭に入れておきましょう。まず、ハンドルを握るのではなく“しがみついている”状況。そのためにお尻も“どっかり”とは程遠い、シート前方に着座してどこかへっぴり腰感が否めないものに。気持ちは分かります、しかし、誰が見てもこれで良いはずはありません。両腕が緊張してしまっていますから、ハンドリングの邪魔をしています。また、シートにしっかり体重が乗っていないために当然荷重が掛からず後輪もスリップしやすくなります。恐怖感から取ってしまうポジションが、結果的にそれを増幅させてしまうという皮肉につながるわけです。
確かに、雨天時は体が緊張で強張ってしまうことも分かります。ですからこればかりはもう、体験を積み重ねるほかありません。全身に力が入っていないかを確認して、どんなシチュエーションであっても焦らず確実な操作を心がけておけば、自然とテクニックというのは身につくものです。
◆ 【悪条件での走行】他のポイントも合わせてご覧ください ◆
悪路の走りかた
◇ 悪路ではハンドルでバランスを取らないこと
◇ 悪路では決してフロントブレーキをかけない
◇ 砂利道ではリアブレーキをゆっくりかけてバランスを取る
◇ 悪路ではニーグリップを確実にする
◇ 悪路では短い加速で車体を安定させる
雨天時の走行
◇ 雨天時のブレーキの利きの甘さを認識しておく
◇ 雨の日のブレーキングは2段階に分ける
◇ 雨天時はリアブレーキもやさしくが鉄則
◇ 雨の日のリーン・インは厳禁
◇ 雨天時はシート後方に座ること
◇ 雨天時は小刻みに加速して安定感を保つ
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