雨の日のリーン・インと後輪荷重の掛からない前傾姿勢は厳禁

雨の日のリーン・インは厳禁

2014年5月24日 Category - 雨天時の走行 Comment : 0

雨天時の走行で注意したいライディングフォームが、リーン・インです。バイクに対して上半身を内側にグイッと寄せるフォームですが、交差点やカーブでは厳禁。きっとバイク自体を傾けると、そのままスリップして転倒してしまう恐怖心からやってしまう姿勢なのでしょうが、初心者ライダーにとってはかなり難易度が高いもの。これはベテランだとしても両腕に力が入り過ぎることで、ハンドルを切る方向にその力が必要以上に掛かってしまい、そのまま前輪からステンッ！　というケースもあるのです。また、小さなカーブではこのリーン・インのフォームはさほど効果がないのも実状。

しかし、転倒を恐れるあまり両腕が張った状態でカーブをこなすのも危険極まりないものです。雨天時の路面では、通常考えられないような箇所でもスリップすることが多々あります。そのままフロントタイヤが滑れば転んでしまうかもしれないという危惧はライダーであれば当然あるのですが、ここでハンドルを押さえる力を上げてしまうと、逆に路面のちょっとした凸凹でもタイヤがすぐに取られてしまいます。ですから、タイヤが例え滑ったと感じてもそこで焦ってハンドルを押さえ込むのではなく、両手は添えるだけでそのままにしておくこと。そうすればハンドルは自然と元に戻るものです。

雨天時の前傾姿勢はご法度

そして、もうひとつ。雨の日によく見かける光景ですが、フロントタイヤが巻き上げるわずかな水しぶきを避けようと、シート前方に座って必死に前傾姿勢を取るライダーがいます。しかしこれは、根本的にライディングの知識を改善する必要があるほどに滑稽なポジションです。腕を張るのではなく逆に抜く発想から、両ヒジにゆとりを持たせるべく前方に着座する人も少なからずいるのでしょうが、これでは再三説明してきている後輪荷重が掛かりません。そうすると、リア回りはたちまち不安定になり、少しの障害であっても軽く後輪が滑ってしまうのです。